自分の気持ちを人にうまく伝えることができない哲夢少年が、象と心を通わせるすばらしさを知り、タイに渡って象使いの少年たちと仲良くなっていくところが、私は一番好きですね。
母象と引き離されたフォーが、哲夢くんを受け入れる場面、本当は哲ちゃんが滝に落ちそうで危険だったにもかかわらず、象の鼻に引き上げられる様子がほほえましくて思わず笑ってしまいましたよ。
それから、その後フォーに乗って学校に帰った時に、ポーをはじめとする象使いの少年たちが、哲夢くんを認めて迎えるところもいい。だいたい、哲ちゃんは、校長先生がすすめた貴重な虫も食べず、日本から持ってきたカップラーメンとかを食べてるから、ポーたちにしてみたら、自分たちのことを拒否されたと思っても仕方がないです。ま、日本でだって、周りの人たちとうまくコミュニケーションできなかった彼が、言葉が通じない場所でうまくできる方が無理がある。それが、象を通してわかりあえたというところが哲夢くんらしくてよかった。
みんなとすっかり仲良くなって、象の扱いもすごく上手になった哲夢くんが日本に帰ることになって、彼の代わりに、フォーの世話はポーが引き受けてくれてよかったですね。
日本に戻ってからの哲夢くんは、野生から人里に連れてこられ、「人間にされた象」にとって一番よいことを考え、行動にうつしていくところ、あの若さでやろうとするところがすごいなぁと思いました。彼が事故に遭った時に、象たちが彼の窮地を一番早く察知し、鳴きました。「象は、仲間の窮地を知ると助けに行く」というセリフの通り、哲夢くんは、象たちにとって仲間だったのですね。
最後に、フォーの子供が「テツ」と名づけられ、ポーが世話をしているのを見て、ポーたちは単純にフォーの子供だから「テツ」にしたのかもしれないけれど、哲ちゃんは生まれ変わって「星」になったんじゃなくて、「象」になったみたいで、ほわんとした気持ちで見終わることができました。